青葉山 松尾寺(まつのおでら)
西国三十三観音巡礼の第二十九番札所、三十三ヶ寺の中で唯一馬頭観音を本尊とする真言宗醍醐派のお寺です。
時に慶雲年中、唐の僧、威光上人が当山(青葉山)の二つの峰を望んで、 中国に山容の似た馬耳山という霊験のある山があったことを
想起された。登山したところ、果せるかな松の大樹の下に馬頭観音を感得し、 草庵を結ばれたのが和同元年(708年)と伝えられる。
元永二年(1119年)には、鳥羽天皇、美福門院の行幸啓があり、 寺領四千石を給わり、寺坊は65を数えて繁栄した。
舞鶴市内唯一の国宝である、絹本著色普賢延命菩薩像も、美福門院の念持仏であったと伝わる。
戦国時代、織田信長の兵火によって一山ことごとく灰塵に帰したが、 天正九年(1581年)田辺城主、細川幽斎の手によって復興をみ、
京極家の修築等を経て 享保十五年(1730年)田辺城主、牧野英成によって、漸く今日の姿を整えるに至った。
本尊の馬頭観音は農耕の守り仏として、或いは牛馬畜産、車馬交通、更には競馬に因む信仰を広く集めています。
境内の一角には鳥羽天皇お手植えと伝わる老銀杏(舞鶴市指定天然記念物)が今もなお、毎年秋になると黄金色に輝いています。
若狭富士とも呼ばれる青葉山(693m・死火山)の山腹に広がり、古くから修験道修行の場であり、自然豊かで静寂な地には、
多くの草花の自生が見られますが、中でもオオキンレイカ(大金鈴花・オミナエシ科・舞鶴市指定天然記念物)は全国でもこの青葉山の
山頂付近の岩場にしか自生しないという固有種です。
松尾寺の地図は 松尾寺の詳細は 

仏舞(ほとけまい)
仏舞は舞儀音楽大会式と呼ばれる行事の中で、「大日如来」「釈迦如来」「阿弥陀如来」三像の面をつけた6人の檀徒が、
越天楽の譜に合わせて優雅に舞う仏事です。重要無形民族文化財に指定され、毎年5月8日に本堂で奉納されます。


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